新築も良いけど、リフォーム・リノベーションもアリ!?
私の親戚は、数年前にきれいにリノベーションされた団地へ引っ越しました。
外観は決して新しくはない団地なのですが、案内された室内を見てびっくり。
部屋の内装はもちろん、トイレやお風呂場も新築と相違ないくらいのきれいさでした。
新築は、文字通り新しい住居。
それだけで大きなメリットですが、古くなった住宅をリフォーム・リノベーションすることにも、メリットが多々あります。
今回は、そんなリフォーム・リノベーションについてお話していきたいと思います。
「リフォーム」と「リノベーション」の違い
一般的に「リフォーム」とは老朽化した住宅を新築に近い状態に戻すことを指します。
つまり、マイナスをゼロにするようなイメージです。
英語の‟reform”も「悪い状態を改良する」という意味であり、住宅においては「外装の塗りなおし」「キッチン設備の変更」「壁紙の貼り直し」などが該当します。
一方の「リノベーション」は、機能・価値の再生のための改修であり、中古住宅に新たな価値を加えることです。
つまり、マイナスをプラスにするようなイメージです。
もともとファミリー向けだった3LDKを子どもの独立と共に両親のためだけの1LDKにするなどのように、既存の住宅に住む人の新たなライフスタイルに合わせて改修されます。
リフォームとリノベーション、どっちを選ぶ?
例えば中古住宅を一新させたいと思い立ったとき、リフォームにするべきかリノベーションにするべきか迷う人もいると思います。
そこで、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
☆リフォームのメリット
・住み慣れた家をそのままにできる
リフォームは、建て替えなどの大掛かりな作業が必要なリノベーションとは違い、現在の家の雰囲気を壊さないまま改修することが多いです。
愛着のある今の家の雰囲気を、なるべく保つことができます。
・費用を抑えることができる
リフォームは、リノベーションと比べて工事が短期間で済むので、仮住まいに移る必要はありません。
工事費以外の仮住まい用の費用(引越し代なども)を考えなくて済みますよね。費用は単純な工事費だけです。
★リフォームのデメリット
・家自体の機能を変えることはできない
あくまでも‟新築時の状態を取り戻す”工事のため、間取りの変更などはできません。
家の基礎部分や構造自体を変えたい場合は、リノベーションをするしかないと言えます。
表面的な改修のみを行うのが、リフォームです。
☆リノベーションのメリット
・自由に設計を考えることができる
自分の好みやライフスタイルに合わせて、住まいを考え直すことができます。
「仕切りのない広々としたリビングにしたい」「システムキッチンにしたい」など、既存の住宅には無かった新たな機能や価値を生み出すことができます。
例えば、見た目は古民家なのに、内部の設備は最新のものを取り入れるなどといったことも可能です。
・新築を購入するよりも低コストで済む
新築を購入するよりも、中古物件をリノベーションする方が安く済むことがほとんどです。
(もちろん、必ずしもそうだとは言い切れないので、事前の比較検討が大切です)
★リノベーションのデメリット
・工事費用が高い
間取りを変えるなどの大掛かりな工事となると、工期も長くなり費用も高くなります。
新築で買ったほうが安かったという事態を避けるためにも、事前に新築購入の場合の費用とリノベーションの費用を比較した方が良いでしょう。
・耐震性や性能に不安がある場合もある
1981年以降の建築基準で建てられた物件に関しては特に心配はないと言われていますが、それ以前だと耐震性が低いと言われています。
断熱の必要性が叫ばれてきたのも1980年代以降と言われているので、それ以前に建てられた物件の場合、リノベーションの際に断熱工事も併せて行ったほうが良いかもしれません。
リフォーム・リノベーションの失敗例
実際にあった、リフォーム・リノベーションでの失敗例を挙げてみます。
~リビング~
・たくさん光が差し込むように大きめの窓に変えたが、窓が大きすぎて外からの視線が気になるようになってしまった
・リビングに間仕切りを設置したが、奥まで陽が入らなくなってしまった
~キッチン~
・シンクを大きくしたら、調理スペースが狭くなって使い勝手が悪くなってしまった
・床材をタイルにしたら、油で滑りやすくなってしまった
・対面式キッチンにしたら、家族同士がすれ違うのがやっとの狭いスペースになってしまった
このように、せっかく改善のための工事をしたのに、「想像とは違った」「失敗した」と後悔してしまうケースもあるようです。
最後に
リフォームもリノベーションも、決して安価な工事ではありません。
新築のようにすでに出来上がった状態の住宅なら、そこでどういう暮らしをするのかを比較的イメージしやすいですが、特にリノベーションの場合、完成するまでは実際の出来上がりをなかなかイメージしにくいところもあります。
ショールームで見て気に入ったというだけで話を進めてしまうと、後々後悔することにもなりかねません。
どこをどう改修したいのかを明確にして、失敗のないリフォーム・リノベーションを実現できると良いですよね。